イメージトレーニングの導入

イメージトレーニングとは、体を動かすことなく想像のの中でスポーツなどの練習を行うという訓練法で英語では、Mental Practiceとも呼ばれます。大リーガーのイチロー選手や、五輪金メダリスト体操の内村選手などもこのようなイメージトレーニングというものを導入しており、一流のアスリート達の間でも実際に取り入れられている手法です。

イメージトレーニングについては、スタンフォード大学の研究者が1940年代からピアノの演奏、バスケットボールのシュート、ダーツ投げ、アクロバット体操、輪投げなどで研究が行われており、イメージ訓練とその効果について実証的な研究を重ね様々な結果が出てきています。

スタンフォード大の研究者らの実験結果によると、イメージトレーニングを行う場合のイメージとは、視覚的に想像するだけではなく、身体の内的な肉体感覚つまり実際に運動しているかの感覚(Kinesthetic feeling)をイメージすることが重要であると指摘しています。70歳以上の女性たちの片足立ちの実験で、6人ずつのグループを2つつくり1つのグループには普通に片足立ちをしてもらい、もう一つのグループには自分が立っているということをイメージしながらそれぞれ1日20分。6週間実験を行なった結果、運動感覚イメージによる訓練をした方のグループの方が、長い時間片足立ちができるようになったという効果が実証されました。

さらに、ニューヨーク州立大学のKinesiology を研究した論文では、イメージトレーニングとスポーツスキルの関係についてこんな実験をしています。バスケットボールのフリースローをイメージトレーニングと実際の練習、実際の練習だけ、イメージトレーニングだけ、全く何もしないという4つのグループに分け実験した結果、以下の順番で成果が出たことが実証されました。

1 イメージトレーニングと実際の練習

2 実際の練習だけ

3 イメージトレーニングだけ

4 全く何もしない

つまり、実際の練習だけではなくイメージトレーニングを組み合わせることで効果を最大限に発揮できるということがわかったのです。

また、イランの研究者らの論文によると、イメージの方法によってイメージトレーニングの効果が大きく違うということもわかっています。例えば、客観的なイメージ(3人称、カメラで外から自分を見る目線)でイメージするよりも主観的(1人称、実際に自分が見えている視点で映像を想像する方法)のほうがイメージトレーニングの効果が上がりやすいといったこともわかっています。自分が行なっている姿をイメージする映像ではなく、自分が実際にやっている目線で想像するということがイメージトレーニングの効果に大きな違いを与えるというわけです。

皆さんも経験があると思いますが、例えば黄色いみずみずしいレモンを思い浮かべてください。そしてそのレモンをナイフで半分に切り、果汁をコップに絞りとっている自分を想像してみてください。この時点で唾液が出ている人は多くおられるのではないかと思います。人間は目の前に物がなくとも想像をするだけで5感が反応することがわかっています。唾液が出るのは脳がレモンという物体をあたかも目の前にあるかのように理解するため身体が反応しているというわかりやすい現象です。

サッカーの練習でも全く同じことが起こり得ます。自分がシュートを決める、爽快なパスをする、といった実際には行なっていないことを実際に行なっているかのように想像をすることで脳が身体にその状態を覚えこませ、実際の練習や試合などでふとした瞬間に身体が動くようになってくるのです。子供達のサッカー練習において、幼少期からイメージトレーニングを取り入れるチームはなかなかありません。週に3回2時間の練習を淡々とこなすだけではなく、イメージトレーニングを加えることで効率的に高い成果を期待することができるようになります。Brainsでは、科学的に実証された根拠を元に最大の効果が期待されるイメージトレーニングと実際の練習を組み合わせることで子供達のさらなる技術を磨いてゆきます。

以下の動画は、子供達に試合前日に送った動画です。シュートを決めるという短いイントロ動画の目線が1人称である(自分がシュートをする目線)ということがポイントになっています。何気ない動画ですが、子供達の脳裏には自分がシュートした時の目線を体験することができるように構成されています。動画の最後には、軽やかなコーチの足技を視覚に働きかけることで自分でも実際にできそうな感覚ー Kinesthetic feeling、を掻き立てる効果を期待しています。

このような短い動画を機会があるごとに定期的に見せることで今後どのような成果が出てくるか、実際に検証してゆきたいと思います。乞うご期待!